徒然なるままに
 
line decor
  HOME  ::  
line decor
   
 
猫じゃれ草
第42回

 寒中お見舞いを申し上げます。

昨年は、首と骨盤の骨折という息子の転落事故に始まって、実家の父と東京の母の死、次から次と・・・。疾風怒涛の1年はあっという間に過ぎてしまいました。

「諸行無常の鐘は鳴る」。徒然なるままに。

 この1年の中で、私は、30年間お世話になった母への恩返しの時間を、子ども達と猫達と共に思いきり励めた嬉しさや、何でも無いように気遣ってくれることが最高に気分よく身に沁みた友人達の優しさへの有難さが、心に生きています。

ギンゴンガンゴン、新しい年の鐘が鳴る。

 先週の金曜日、私のところに、新しい猫がやって来ました。金色のライオンのようなたてがみが、首から胸からピンピンと宇宙と繋がっているようで、緑色の瞳は、遠い深い森の泉の淵のようです。

「さあ!私の国にようこそ。」

それは、突然の誘いでした。私は、何かと体力もやる気も底をついていましたので、思考力などもっての外で、・・・いやいや、良い訳なんか必要ない。すぐさま彼女の魅力の深淵にドボン!と跳び込んで仕舞いました。

 早速、やって来た金色猫を”BEBE”と名付けました。口元顎の辺りが、往年の大女優、ブリジッド・バルドのようにセクシ-で、掌の中で、彼女は刈りたての羊の毛の様にふあふあと温かい。まるで、生まれたての赤ちゃんのように宙に浮いている様にして温かい。

 画室のあちらこちらの床に猫たちが寝そべっている。寝たふりをしながら交感する猫の気持は部屋中を跳び回る。そう感じるだけで、私はワクワクと爛爛としてくる。

壁のピカソが、その天才の両の手のひらをかざしながらニンマリと笑っている。

 懐かしい幸福な時間と匂いが戻ってきた。

 約1年、オカマイ無しをさせて頂きました。ご心配頂きながらも無しのツブテをお叱りにはシランプリを極めさせて頂きました。そんな折、りえちゃんご夫婦は、「Q人展」の様子をBBSで公開してくれました。ほんとうに、たくさんの支えや優しさに助けてもらって今に繋がっている私です。絵を描いて、意乗る絵を描いて、少しでもお返しをしていきたいと思います。ありがとうございます。そして、これからもよろしくお願いします。

心から感謝して、出町千鶴子