徒然なるままに
 
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猫じゃれ草
第25回

 今は、春。お天気が好い。

 とても嬉しい。お花が咲いて、たくさんの小鳥が生まれる。そして、私の娘が、8月13日に赤ちゃんを生むことになった。8月13日から、私のことをおばーちゃんと呼んでください。徒然なるままに。

 Mon Cher TiGER-kunが、私のところに帰ってきた。私は、ペットショップで発見する。

 あのほっぺ、あのニシキヘビだって敵わない美しいタビー模様。そして、人間を遥かに超えた知的な眼差しとグローブのような手。静かで穏やかで、そして、強さを隠し持っている。

 黄金と黒で彩られた胸元とグリーンゴールドの瞳は、きっと、500年前のイタリアで、フランケッティ男爵の猫よりも美しく男前に決まっている。

 彼は、21/10/1999生まれの1才6カ月。たぶん、私がやってくるのをずっと待っていた。

「タイガー君じゃないの?」
声をかけた。彼は答えた。
「おかあさん?」
そう!そうよ!おかあさんよ!!

 2年前、タイガー君が亡くなった。そして、私はいつでもタイガー君を捜し求めていた。追いかけるように。しかし、タイガー君のように、精悍な知的でダンディな猫に出会うことはなかった。そして、今日、私はタイガー君と再会する。涙が溢れた。きっと、私はずっと淋しかった。これは、本当の "NOUS REViR"。

 温かい確かな重さ。私の腕にしっかりと、しかも、やわらかくくいこむ両手。額のにおい、タイガー君のにおい。お鼻とお鼻をくっつけると、眼と目が合った。彼の瞳の光を受けた、その瞬間!彼のほっぺも私のほっぺも膨らんだ。私の心は、満月のように輝きはじめた。

 この時、亡くなったタイガー君のそっけない重さから、私は、開放されて行くのを感じた。どんどん、明るく闊達なタイガー君の様子が、私の記憶を遡りながら、悲しい記憶を消して行く。そして、その不思議な時間と空間は、今、この時、私の腕の中にいる柔らかな眼差しに行き着いて、目が醒めた。

 私は、タイガー君といっしょに家に帰る。私は、これから、また、タイガー君と一緒に絵を描く。朝から晩まで、昼も夜も!

 「微笑む」は、大事。心がテカテカに元気の善い、満月になれる。

 「そうだね!タイガー君!」
私達は、いっしょに進む。限りないDemain!
「雨ニモ負ケズ、風ニモ負ケズ。もちろん!夏ノ暑サにだって!!」